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ライターのためのUXデザインの法則

ライターのためのUXデザインの法則

翻訳記事 Oct 17, 2022

この記事はMediumのブログ: UX laws for writersの翻訳転載です。著者のエメム・アンブローズさんの許可を得て公開しています。

ユーザーのデジタルインターフェースとの接し方を、もし心理学的に理解できたら、と想像してみてください。この知識は、ライターとしてのあなたの仕事にどんなインパクトをもたらすでしょうか?さらに言えば、その知識は、ユーザーがより良いデジタル体験をするために、どう役立てられるでしょうか。

UXデザインの法則とは、デザイナーがデザインする人々を深く理解するために役立つ、研究に裏打ちされたデザイン原則です。


LAWS OF UX.COM

UXデザインの法則は、デザイナーのためだけのものではありません。実際、プロダクトデザインチームで働くすべての人が、これらの法則を知り、理解することで良い効果を得ることができます。

私は、すべてのUXライターがプロダクトデザインについて深い知識を持つべきだと考えていますが、今回は、ライティングにこそ適用できると思う法則をリストアップしてみました。お楽しみください!

フォン・レストルフ効果(孤立効果)

これは孤立効果としても知られています。似たようなものが複数あるとき、他とは違うものの方が記憶に残りやすいという法則です。


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そのため、印象的な見出し作りに時間をかけるだけでなく、大きなサイズや異なる色で表示することが望まれるのです。見出しを他のテキストと異なる見た目にすることで、記憶に残りやすくなるのです。

この法則は、見出しだけでなく、ユーザーに気づいてもらいたい、または覚えてもらいたい言葉やフレーズを強調する場合にも使えます。

テスラーの法則(複雑さの保存の法則)

多くのUXライターが最初に学ぶことの1つは、文章をシンプルにすることです。しかし、このアプローチが実行できない状況ではどうでしょうか。


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この法則は「どんなシステムにも、減らすことのできない一定の複雑さがある」というものです。多くの人がアクセスできるようにデジタルプロダクトをシンプルにしようとするとき、やり過ぎないように注意しなければならないのです。

この法則は、複雑さは常に存在することを指摘しています。私たちがプロダクトをシンプルにしようとするとき、ユーザーから作業を引き離し、その作業を裏方にを委ねることになります。

私たちが考えるのとは裏腹に、ユーザーは自分でコントロールできることを望んでいます。あまりに単純化されたインターフェースは、彼らに何の学びも与えないのです。

私は、ライターは自分の仕事をできるだけシンプルにするべきだと思いますが、専門用語に代わるシンプルな言葉を探すのに、多大な時間とエネルギーを費やしてはいけないと思います。例えば、専門的な分野で働く人たちのためにデザインするのであれば、専門用語は彼らにとっては理解しやすいものです。あなたがその分野の部外者である場合、代わりの言葉を探すことはあなたをイライラさせ、すでにそのような言葉に慣れているユーザーの体験を台無しにすることになります。

ヤコブの法則

あなたのユーザーは、他のデジタルプロダクトも使っています。この法則は、ユーザーがあなたのプロダクトに対して、他のプロダクトと同じように振る舞うことを期待している、というものです。


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これは、企業がUXライターを必要としなくなったということでも、マイクロコピーで革新的なことをしてはいけないということでもありません。

個人的にこれは、汎用的なマイクロコピーではなく、特別なマイクロコピーのライティングに集中できるようになるので、素晴らしいことだと思います。

例えば、パスワードの間違いをどうやってユーザーに伝えるかを真剣に考えるのではなく、ただ人気のあるもの、うまくいくものを使えばいいのです。そして我々は、プロダクトがどんな問題を解決しているのかを定義するページを書くことに意識を向けます。

これは、既存のプロダクトのマイクロコピーを修正する際にも当てはまります。ユーザーはすでにこのプロダクトに期待を寄せているので、ある程度の親しみやすさを残しながら行いましょう。すべてを変えるのではなく、一部を変えるだけでもいいし、すべてを変えながらも、段階的にその変更を実施していくこともできます。

ミラーの法則

この法則は、平均的な人はワーキングメモリに7(プラスマイナス2)個のものしか記憶できない、というものです。


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この法則こそが、私が段階的オンボーディングを気に入る理由の一つです。ユーザーに情報を少しずつ与えることで、私たちの文章がより効果的に機能し、ユーザーの認知負荷が下がります。

つまり、情報を分割するだけでなく、少しずつユーザーに与えることで、ユーザーが情報を記憶できるようになり、組織が価値を持つようになるのです。

ポステルの法則

出力するものには厳密に、入力するものには寛容に。


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例えば、誰からも好かれ、とっつきやすいと思われるような簡潔なコピーを書いたとしましょう。しかし、実際に試してみると、そうではないことがすぐにわかります。ユーザーはあなたと同じように考えているわけではありませんし、誰もがあなたの想定どおりにタスクに取り組むわけでもありません。

文章を書く際には、さまざまな結末を想定しておく必要があります。1つのシナリオだけを想定して書くのではなく、より多くのシナリオを想定し、それに合わせて計画を立てるべきなのです。

私たちはデータを効率化する方法として、入力内容の制限を設けることもできますが、もしパターンが見えてきたら、何らかの手直しを検討する時期なのかもしれません。

系列位置効果

この法則では、ユーザーは一連の物事の最初と最後を最もよく記憶すると言われています。


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これは単純に、重要な項目はページの上部か下部のどちらかに置くべきだということを示しています。真ん中は、それほど重要でない情報用に取っておくのです。

以上がUXデザインの法則であり、私がUXライティングにも適用できると思うものです。他の法則もぜひご覧になってみてください。

それでは、よいライティングを!



執筆者プロフィール:エメム・アンブローズ(Emem Ambrose

エメム・アンブローズは、ナイジェリアのUXライターです。


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