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UXライターがFigmaを学ぶべき理由

UXライターがFigmaを学ぶべき理由

翻訳記事 Aug 17, 2022

この記事はサミー・スペクター氏のブログ: Why UX writers should learn Figmaの翻訳転載です。著作元のUX Content Collectiveの許可を得て公開しています。

Figmaは、この数年間、UXデザイン界に旋風を巻き起こしています。あなたも、デザイン仲間がFigmaについて話しているのを聞いたことがあるでしょうし、ワイヤーフレームを見たり、自分でページを少しいじったりしたことがあるかもしれませんね。

Figmaはウェブベースのソフトウェアで、包括的なデザイン操作ツールと幅広いコラボレーション機能、そして基本的なプロトタイピング機能さえも兼ね備えています。かなり包括的なデザインツールで、学ぶべきことがたくさんあります。強力なツールですが、初めて使うときには(5回目、6回目でも)、その使い方を理解するのが難しいかもしれません。

私たちの多くがビジュアルアートやグラフィックデザインのバックグラウンドを持っていないため、Figmaは通常、ライターのスキルとして重要視されることはありません。また、習得しているかどうかを尋ねられることもありません。しかし、Figmaの基本を学ぶことには多くの利点があります。コンテンツに携わる多くの人が、独学でFigmaの愛好家になっています。なぜなら、時間をかけて基本をマスターすることで、仕事がやりやすくなり、チーム内での役割が長期的により確かなものになるからです。


画像提供元:Figmaブログ

なぜFigmaを学ぶのか?

Figmaは、デザインコラボレーションにとって革命的です。そして、UXライターをさらに前進させる助けとなります。私たちは、デザインプロセスの早い段階から関わり、より優れた能力と戦術的なアプローチを手に入れることができます。

Figmaは、我々をデザイナーと同じ部屋(ビジュアル&リモート)に導いてくれるのです。Figmaは、UXライターに居場所を与えるだけでなく、意思決定を行い、直接フィードバックやインプットする手段を提供するための道具でもあるのです。私たちのUXライティングツールボックスにFigmaを追加すると、デザイナーからファイルが来るのを待つ必要がなくなります。これにより、UXライターが陥りがちな、埋め合わせのコピーやダミーテキストをUXコピーに置き換えたり、ライターの意見を無視して作られたデザインの枠の中で必死に書いたりという、イライラするシナリオを避けられるのです。

デザイン工程の全サイクルを通じて、デザイナーと同じ場所、同じ時間を過ごす。そうすることで、私たちは事前にコピーの必要性を計画し、ライターとデザイナーの両方の意見を必要とするUXの意思決定ができるのです。

これは画期的なことですが、Figmaは日々の仕事も楽にしてくれます。私が気に入っているのは、即座に使えるコラボレーション機能です。これらの機能は、作業中の仕事とデザイナーの両方をより身近に感じさせてくれるでしょう。

 
バージョン履歴

バージョン履歴は、Googleドキュメントと同様の機能です。他の誰がそのファイルで作業していたか、何を変更したかを確認でき、必要であれば以前のバージョンに戻すことも可能です。これは、あるファイルで作業しているときに、デザイナーが作業中だったものをひどく台無しにしてしまったことに気付いたときの強い味方になります。

コメント

これは分かりやすい機能です。コメント機能は、すべてのステークホルダー(特にFigmaに慣れていない人)が、具体的に確認したい部分にコメントを残せるようにするものです。チームメイトをタグ付けすると、ファイル内で通知されるほか、通知の設定によってはメールやSlackでも通知されます。Google Docsと同じような仕組みです。また、右側のパネルからすべてのコメントを読めます。コメントをクリックすると、その場でコメントが表示されるので、みんなが何を話しているのかがよくわかります。

カーソルパーティー!

Miroのようなオンラインコラボレーションツールと同様に、ページ上で他の人のカーソルが動くのを見ることができるので、デザインの様子をリアルタイムで確認できます。Figmaはさらに一歩進んで、他のユーザーを観察する機能(Observation mode)を備えています。ワンクリックでチームメイトの作業を追いかけられるので、素早いナビゲーションとシームレスなレビューが可能になります。

Figmaを学ぶことは、ツールの内側から得られる利点のほか、ことUXライターという役割においても、いくつかのすばらしい利点を得られます。

  • 履歴書への強力な付加価値:チームや組織全体があるソフトウェアを使用している場合、採用担当者はあなたがそのソフトウェアにも精通していると聞いて喜ぶことでしょう。日々の仕事の多くがFigmaのファイル内で行われるため、オンボーディングのスピードは上がり、学習のハードルは下がります。
  • アイデアを簡単に伝えられる:Figmaで図形の作り方やテキストの操作方法を学べば、あなたはすでにビジュアル言語を話せることになります。そのため、デザインをどのように変更したいかを素早く表現したり、ワイヤーフレームをゼロから作成することに挑戦したりできます。これによって、コンテンツが後からデザインに追加されるのではなく、プロセスの早い段階で考え込まれるようになるのです。
  • コミュニケーションの損失が少なくなる:Googleドキュメントやデザイン・ファイルにまたがって作業するよりも、Figmaを使えば、すべてを1つの場所にまとめておくことができます。デザイン、エンジニアリング、プロダクトが一体となった同じ空間で作業できれば、デザイナーがステークホルダーに間違ったコピーを渡したり、ダミーテキストを提示したりする機会が少なくなります。

 

何から始める?

観察して練習しよう

Figmaの真のコラボレーション・パワーがもたらす素晴らしい副産物は、そのリモート操作性です。世界中にいる同僚たちと一緒に仕事ができるだけでなく、どこにいてもFigmaのスキルを学べるのです。YouTubeのビデオを見て、ご自身で練習してみてください。YouTubeには、数え切れないほどのチュートリアルやリソースがあります。例えば、この膨大な厳選されたリストをご覧ください。さらに、Figmaの基本に関するウェビナーのビデオもご覧ください。見て、一時停止して、自分でやってみる、これを繰り返してください。

何でもかんでもググってみる

基礎的なことが分かっても、まだインターネット上の情報源に見切りをつけてはいけません。Figmaに何かをさせたいけど、どうすればいいかわからないということは、必ずあるはずです。質問があれば、誰かが必ず答えを知っています(あるいは、Figmaで試したことがあり、それが動作しないことを教えてくれるかもしれません)。もし、何かができるか疑問に思ったら、とにかく調べてみてください。

プラグインを試す

Figmaコミュニティでは、あらゆるプラグインを見つけることができます。スペルチェッカー(SpelllまたはSpellcheckerをお試しください)、HTMLからレイヤーへの変換、テキストを円弧状に曲げられる気の利いたツール(Microsoft WordArtを想像してみてください!)などを追加できます。また、DittoFrontitudeなど、UXライティングに特化したプラグインも多数用意されています。これらのプラグインは、多数のデザインファイルにまたがるコピーを管理するのに役立ちます。

実際にFigJamを触ってみる

Figmaの開発チームがリリースした新プロダクトのFigJamは、Figmaの軽量版とMiroのような他のオンライン・コラボレーションツールの長所を組み合わせたものです。ホワイトボードセッションや、細かいレイヤーを気にせずにアイデアを素早く紙に書き出す際に最適です。

Figmaは、単なるはやりからデザインプロセスに不可欠な存在と変化してきました。同時に、UXライターは、コンテンツ主導型のデザインプロセスを構築し、デザインのキックオフから始まるコンテンツ戦略を提唱しています。ライターがコンテンツデザインの役割を果たし、チーム全員が文字通り同じテーブルにつくためのツールを学ぶことは、極めて大切なのです。

Figmaについて質問がありますか?UX Writers Collectiveのウェビナー(録画)をご覧ください。


執筆者プロフィール:サミー・スペクター(Sammie Spector

サミー・スペクターは、コンデナストのUXライターです。世界22の国と地域で展開するファッション誌『VOGUE』のiOSアプリを担当するほか、UX Writers Collectiveのインストラクターとしても活躍しています。

LinkedIn |Sammie Spector Webサイト