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デジタルプロダクトに個性を持たせる書き方

デジタルプロダクトに個性を持たせる書き方

翻訳記事 Jun 14, 2022

この記事はMediumの記事: How to write digital products with personalityの翻訳転載です。著者ニック・ディラーロさんの許可を得て公開しています。


ユーザーテスト=大惨事。ライターが必要。


ある火曜日の夜11時、元同僚が私にそうメールしてきたのです。彼女は優秀なプロダクトデザイナーであり、優れたUXライティングの重要性を理解していました。しかし、彼女は今、助けを必要としていました。

彼女は最近、資金力のあるスタートアップに入社し、最初の数ヶ月は大変だったそうです。彼女は会社の最も重要なプロダクトの再設計を任されていました。うまくいっている、と彼女は思っていました。

複雑なフローをシンプルにし、乱雑なインターフェースを減らすことができました。さらに、テスト用の美しい忠実度の高いプロトタイプを完成させました。しかし、彼女のチームには、ライターが一人もいませんでした。そして、そのプロダクトをユーザーの前に出したとき、その言葉はうまく機能しなかったのです。

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翌朝早く、Zoomで通話をしました。私は彼女に、この文章のどこが問題だと思うかと尋ねました。「そこなんです」と彼女は言った。「何も間違っていない」と。

ユーザーテストの参加者は皆、すべてのフローをこなしていました。彼らは皆、プロダクトについて、予想通りとはいえ、いいことを言っていました。彼らの多くは、「シンプル」「簡単」といった言葉を口にしていました。しかし、それ以上のことは言いませんでした。プロダクトについて尋ねられると、彼らは無言になるのです。あるいは、何度も同じことを言います。シンプル。簡単。シンプル。簡単。

書き方に問題があったわけではありません。しかし、印象に残るようなこともありませんでした。プロダクトが壊れているわけではなく、ただ退屈だったのです。個性がないのです。

そこで、私たちは改善策を練りました。

プロダクトが壊れているわけではなく、ただ退屈だった。

 
私たちはその後数週間、共同作業を行いました。膨大なFigmaファイルの中で、文章を書き、デザインをしま新しいトーンオブボイスを作り、文体を定義し、プロダクト戦略上、より効果の高い言葉をはじめました。そして私たちは、プロトタイプのすべての画面を更新し、その過程でUIを改良し、ほぼすべての単語を変更しました。

次の段階のユーザーテストでは、参加者は単にプロダクトの使い方を理解しているだけではありませんでした。彼らは、「使いたい」と思ったのです。プロダクトがシンプルであることに変わりはありません。でも、ユニークで、モダンで、スマートなものになっていたのです。

その違いは?それは、文章です。文章に個性を持たせることは、さまざまな方法で可能です。色、書体、イラスト、動き、そして音。ここでは、言葉でそれを実現する方法を紹介します。

 

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最初からブランドボイスを構築する

最初の画面から、体験を形作ることが大切です。最初の1、2文で、プロダクトにパーソナリティが生まれ、期待が膨らんでいきます。例えばそれは、事実を忠実に伝える価値観かもしれません。あるいは、興味深いヘッドラインや、世界に対する視点かもしれません。重要なのは、それがあなたのブランドにふさわしいものであり、ユーザーを魅了し、その後のすべての流れを決めるものであることです。

これらの画面はすべて同じコーヒーの定期購入サービスを紹介しています。しかし、その手法はそれぞれ異なります

オンラインギターレッスンにも、様々な書き方があります

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語彙に配慮する

たったひと言、ふた言で、プロダクトの印象はガラリと変わります。小さな機能、カテゴリー、アクションはすべて、ブランドを映し出す形で名付けられ、整理される必要があります。つまり、ものの呼び方には注意が必要なのです。

たとえ同じ機能であっても、ラベルによって個性が生まれます
コールトゥアクションは、人々が何を得て、何をし、何のためにお金を払うのかを理解しやすくします。月額の料金モデルには、さまざまな形があります
同じアイテムや画像でも、書き方によって印象が変わります

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ふさわしいコンテンツを作る

優れたコンテンツは、プロダクトとブランドを一致させます。ユーザーがその体験を受け入れ、その企業が何を目指しているのかを認識するのに役立ちます。もちろん、どのように書くかは重要です。しかし、そもそも何を書くかを決めることも重要です。この2つは互いに連動していなければなりません。ですから、あなたのプロダクトを形づくる、すべての記事、FAQ、その他のフローについて考えてみてください。

プロダクトは、自身の高速かつ高度な技術をアピールすることができます。あるいは、キュレーションに対する取り組みを説明したり、その誠実さや透明性を語ったりすることもできます
資産運用のためのインターフェースは、何も付け加えなければシンプルです。コンテンツを追加することで、洞察力に富んだ、あるいは遊び心のあるものにできます

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ブランドボイスを盛り込む瞬間を見つける

これを「マイクロコピー」と呼ぶ人がいます。私はこの言葉が好きではありませんでした。この言葉は、文章が重要でないように思わせるからです。その逆もまた然りです。ロード画面、エラーメッセージ、フッター。これらのディテールはすべて重要です。その一つひとつが好機なのです。細かい文章は、ユーザーがインターフェースを理解したり、ブランドを感じたりするのに役立つはずです。短い文章も、長い文章と同じように注意深く、丁寧に書きましょう。


ローディング画面は、今何が起きているかを説明したり、次の画面への期待感を高めたり、ユーザーを笑わせたりします
フッターは、インターフェースを締めくくるものです。最後に一言添える場所でもあります

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常に明快さを選ぶ

プロダクトの中には、あまり個性のない画面もあるでしょう。それでもいいのです。個人情報や決済に関わるフローは、シンプルであるべきです。もし迷うようなことがあれば、明確さを保つようにしましょう。「郵便番号」に置き換わる言葉はありません。また、「pay now(今すぐ支払う)」と書くより良い方法はありません。

時には色や書体、デザインスタイルで個性を出しながら、言葉で表現することもあります

 


執筆者プロフィール:ニック・ディラーロ(Nick DiLallo

ニック・ディラーロは、デジタル住宅ローン融資のスタートアップ Better のUXライター、ブランドボイスのグループディレクター。過去にはブルックリンのWork&Coのグループディレクターを務め、個人のクライアントにはApple、IKEA、Airbnb、Etsyなど多数。

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