
マイクロコピー / UXライティングの仕事に就く前に、ポートフォリオを作る方法
May 26, 2021この記事はMediumの記事: How to Create a Portfolio before Landing Your First Microcopy/UX Writing Jobの翻訳転載です。著者リウト・マロヴァニさんの許可を得て公開しています。

Photo by Toni Cuenca from Pexels
新しい職業に就くことは、昔からある「ニワトリが先か卵が先か」の話に似ています。
あなたはマイクロコピーを書きたいのに、クライアント候補は「ポートフォリオを見せてください」と尋ねてきます。しかし、クライアントがいないということは、ポートフォリオがないということです。そして、ポートフォリオがないということは、クライアントがいないことを意味しています。
この記事は、主にマイクロコピー(UX)ライター向けのものですが、フリーランスとしての第一歩を踏み出す人にも役立つ内容です。
そうです。実際のクライアントがいなくても、マイクロコピーを書き始めることができます。ほんの少しの強い意志を持って、2、3日仕事をすれば、人生の扉を開くポートフォリオを作れるでしょう。
1. ポートフォリオのために案件を獲得する方法
デザイナーやUX担当者とつながりを持ちましょう。彼らはビジュアルデザインを、あなたはマイクロコピーを持ち寄るのです。
グラフィックデザインやUXを学ぶ学生は、アプリやウェブサイトのデザインを任されることがよくあります。もし彼らのデザインにマイクロコピーの要素が含まれているなら(おそらく含まれているでしょう)、あなたはライティングのスキルを提供することができます。
たとえ相手が架空のプロダクトを作っていたとしても、そのプロダクトのボイス&トーンやマイクロコピーを一緒に考えるチャンスがあります。それが、あなたのポートフォリオに加えられる完成したプロジェクトになるのです。
マイクロコピーをあなたの仕事の追加商品として提供する。
もし、あなたがデザインやコンテンツの分野からマイクロコピーにたどり着いたなら、マイクロコピーを、今提供しているサービスの追加商品として提供することを考えてみてください。そうすればクライアントは、その機会を逃さないでしょう。
たとえば、あなたがアプリのUXデザインやウェブサイトのコンテンツ制作に取り組んでいるなら、マイクロコピーをクライアントの提案資料に盛り込んでみましょう(あなたはまだ若手なので、リーズナブルな価格で提供できます)。たとえマイクロコピーがプロジェクト全体のごく一部であったとしても、あなたのポートフォリオに掲載できます。
ボランティアでマイクロコピーを書いて、クライアントを獲得する(そしていつか報われる!)。
ウェブ上で活動している非営利団体の中には、無料でマイクロコピーを書いてあげることで、非常に感謝してくれる団体がたくさんあります。あなたにとって身近な価値観を持つ団体に、ボイス&トーンのデザインとマイクロコピーを無料で提供すれば、(お金は支払われませんが)実際の顧客を獲得できます。
そのためにも、マイクロコピーの数が多いサイトを選びましょう。そうすれば、ポートフォリオにもたくさん掲載できます。
友人や家族のために本物のボイス&トーンをデザインする。
ボイス&トーンのデザインを練習するのに最適な方法は、友人や家族のビジネスのために書くことです。ウェブサイトを所有している人や顧客を抱えている人を探せば、一緒に働くにあたって十分な情報を得られるでしょう。
プロダクトのタイプや、新しい「クライアント」の我慢強さに応じて、完全なボイス&トーンを設計するのか、それともざっくりとしたプロセスにするのかを考えます。
『UXライティングの教科書』を使って、ボイス&トーンのインタビュー用の質問を用意し、ステップバイステップで実施してみましょう。もしクライアントがデジタル分野に明るくないなら、質問の内容が明確で、後からでも答えられるようなものであることを確認しておきます。重要なことを聞き逃さないようにするために、インタビューを録音しておくと良いです(もちろん、クライアントには録音することを事前に伝えておきましょう)。
このようなプロセスを踏むことで、彼らのためにマイクロコピーや、ウェブサイトのメインのコンテンツを書くことができます。そうすれば、あなた自身のポートフォリオにそのすべてのプロセスを掲載することができるのです。
想像力を働かせれば、グーグルだってあなたのクライアントになるかもしれません。
プロとしてマイクロコピーを書いたことがない人でも、想像力豊かなポートフォリオで自分の能力を示すことができます。有名なウェブサイトやアプリを選んで、撮影したスクリーンショットをもとに、もし自分がそのプロダクトのマイクロコピー(UX)ライターだったらどのような変更を加えるか「ビフォー & アフター」の例を作ってみましょう。
この場合、あなたが慣れ親しんでいる世界にこだわってみるのが一番です。例えば、あなたがヴィーガンであれば、ヴィーガンに特化したウェブサイト(Happy Cowなど)を、あなたが新米ママであれば、ママ向けのアプリやウェブサイト(Baby Centerなど)を探します。あなた自身がターゲットユーザーであるという利点があるので、そのコミュニティに向けたマイクロコピーを簡単に書くことができます。
また、プロの"ふり "でも "ちゃんと "取り組むことです。実際に書き始める前に、マイクロコピーの事例をもとにした土台を考えておく必要があります。たとえば、ブランドの価値観や個性、ターゲット層、そしてプロダクトが抱える1〜2つの課題などです。すべての事例でボイス&トーンをデザインする必要はありませんが、実際のクライアントと接するときと同じように、ガイドラインに従うことが大切です。
次に、ブランドやプロダクトについての簡単な説明と、どのような原則に基づいてそのマイクロコピーにアプローチしたか、そして解決しようとした課題を書きます。リライトした箇所があるたびに、その理由と新しいコピーを思いついた経緯を一言二言で書き添えます。
重要:架空の作品を見せる際には、それが参考例であり、お金が支払われたプロジェクトではないことをはっきりと示してください。
政府のウェブサイトや入力フォームに取り組む
マイクロコピーを書くということは、退屈で威圧的な入力フォームを、快適でシンプルなものに変えることです。では、そのようなフォームはどこにあるでしょうか?そうです!政府のウェブサイトです。
政府関連のウェブサイトには、古めかしいコピーがたくさん使われています。あなたがよりおいしい(そしてより収益性の高い)仕事にシフトしていくまでの糧となることでしょう。ジェンダーに配慮したコピーを書いたり、堅苦しくてうんざりするような言い回しを、人々が実際に使う言葉にリライトしたりと、仕事の幅はたくさんあります。
おまけに、これらのインターフェースは幅広い層を対象としているので、プロダクトにはそれほど複雑なボイス&トーンデザインは必要ないでしょうし、あなたのリライト案は大きな改善につながります。
文字数制限の練習を積む(文字サイズだって重要です)。
テキストメッセージ、プッシュ通知、アラートなどは、ポートフォリオの良い例です。これらのタイプの通知を送信するアプリを見つけて、各メッセージの文字数制限に注意しながら、メッセージをリライトしてみましょう。
覚えておいてほしいのは、テキストメッセージやプッシュ通知では、絵文字を使えるということです!ただし、一般的な絵文字のみを使い、複数の解釈ができるような絵文字は使わないでください(これはアクセシビリティの点においても役立ちます)。
2.ポートフォリオの見せ方
あなたの目的は、将来のクライアントに向けて、あなたの考え方や仕事のプロセスを見せることです。そのため、彼らが考えなくても済むように、スクリーンショットを使って元のデザインの上にマイクロコピーを書く方法が役立ちます。
その方法とは:
- スクリーンショットの際には、画面全体ではなくマイクロコピーをリライトする部分だけを撮影してください。ブラウザを拡大してから関連する箇所を撮影すると、解像度が高くなります。
- 撮影したスクリーンショットをパワーポイントなどのスライドに2枚貼り付けます。1枚のスクリーンショットが「ビフォー」になり、もう1枚のスクリーンショットが「アフター」になります。
- テキストボックスを使って、あなたの考えたマイクロコピーを「アフター」のスクリーンショットの上に貼り付けます。オリジナルのサイズ、色、フォントにできるだけ近づけるようにしてください。
また、テキストメッセージやプッシュ通知の場合は、文字数の制限に注意し、制限を超えないようにしてください。私の基本的なルールとして、その「クライアント」が使っている文字数を数えて、それを最大の文字数としています(実際にクライアントと話せるのであれば、コピーを書き始める前に文字数の制限を聞いています)。 - あなたが重要だと思うそれぞれの例の横には、マイクロコピーを変更した理由、何が決め手となったのか、新しいコピーで何を達成しようとしたのかを説明してください。
- このドキュメントは、できる限り軽くて高品質なPDFファイルとして保存することをおすすめします。ファイルをいくつかの異なるデバイスでチェックし、マイクロコピーが読みやすいことを確認してください。
3. 印象的で包括的なポートフォリオを作るポイント
- ウェブサイトやアプリの基本的な画面を、少なくとも1つ(2つあればなお良い)掲載してください:たとえば、会員登録ページ(ウェブサイトやニュースレター)、パスワードの復旧、メニュー、エラーメッセージ、確認メッセージ、アラートやテキストメッセージ、ローディング画面、404ページなどです。繰り返しになりますが、すべての事例には説明が書かれていなければなりません。
- 多彩な事例を示す: 政府系のウェブサイトだけでなく、楽しいプロダクトだけでもなく、偏ることのないようにバリエーション豊かなプロダクトを選びましょう。そうすれば、様々なタイプのコンテンツに対するあなた自身のスキルを示すことができます(多少味気ないものもあるかもしれませんが)。
しかし、クライアント候補にすべてのポートフォリオを送る必要はありません。そのクライアントにとって最も関連性の高いブランドやプロダクトが目立つように、ポートフォリオを再構成したりアレンジすることを考えてみてください。 - 少なくとも1つ、仕事全体のプロセスを見せる:ボイス&トーンのデザインの基本とガイドラインに基づいたマイクロコピーが表示されている、ウェブサイトやアプリの一通りの画面を掲載するようにしてください。
すべて整いましたか?
素晴らしい。これであなたのポートフォリオは準備完了です。さあ、クライアントを感動させましょう!