
ソロのUXライターとして成功するための5つのヒント
May 04, 2022この記事はUX Content Collectiveのブログ:Five tips for success as a solo UX writerの翻訳転載です。著者のメーガン・オニールさんの許可を得て公開しています。
昨年、私はCodecademyで、マーケティングからデザインへと転身しました。Codecademyは、インタラクティブなオンライン・コーディング教育を通じて、テック分野での刺激的なキャリアを後押しすることを目的としたエデュテック企業です。
私は、プロダクトデザイナーのチームでは初めてのUXライターで、7つの異なるプロダクト班にまたがって働いています。担当するプロジェクトはバラエティに富んでいます。常に新しい、エキサイティングな課題に取り組むことができ、私は楽しんでいます。
しかし、チーム内で最初で唯一のUXライターとして、圧倒されることもあります。まったく新しい分野をゼロから作り上げるのですから。さらに、デザイナー、プロダクトマネージャー、エンジニアからライティングの依頼を受けることもあります。また、UXライティングとは何かということを説明するのにも、かなりの時間を費やすことになるでしょう。成功するためには、まず時間をかけることが重要です。
ソロのUXライターとして身を立てるための5つのヒント
私はまだまだ新米です。しかし、Codecademyの新人UXライターとしての最初の8ヶ月間、いくつかのことが私を助けてくれました。それらをここにまとめ、私が役に立ったと思ういくつかのリソースも併せてご紹介します。
ヒント1:チームのことを知る
UXライティングは、非常に部門横断的でコラボレーティブな仕事です。デザイナー、プロダクトマネージャー、エンジニア、そしてマーケッターと一緒に仕事をすることになるでしょう。コラボレーションを成功させるためには、チームを知ることから始めることが何よりも重要です。
Codecademyのデザインチームに参加した最初の数週間、私は一連の情報収集のセッションを設けました。私は、各事業体のデザイナーのグループと会いました。また、各プロダクトグループに所属するデザインチームメンバーとの1対1のセッションも計画しました。UXリサーチ、デザインシステム、コミュニケーションデザインなどです。
私のゴールは、チームとチームが今抱えている問題点、UXライティングに関連するチャンスを理解することでした。この情報は、私の仕事のプロセスに活かされます。また、UXライティングの優先的なプロジェクトを決め、迅速に成果を上げるのにも役立ちます。
グループセッションでは、以下のような質問をしました。
過去の経験
- 以前にUXライターと仕事をしたことがありますか?
- もしあれば、いつ、どのようにプロジェクトに参加したのでしょうか?
- 彼らが提供してくれたリソースは役に立ちましたか?
現在の状況
- チームにUXライターがいないプロジェクトで、UXコピーにどのように対処しましたか?プロセス、ステークホルダー、承認についてなど、思いつくままに振り返ってみてください
- UXライティングについて、どんなことが好きですか?うまくいったことは何ですか?
- UXライティングで直面した最大の難関は何ですか?
チャンスと今後のプロジェクトについて
- UXライティングが解決できると思うような、既存の問題やユーザーの困惑するポイントに出会ったことはありますか?
- 今後、あなたのチームのロードマップにあるプロジェクトで、UXライティングのサポートが役立つものは何ですか?
1対1のセッションでは、仕事のプロセスやコラボレーションに関する追加質問もいくつかしました。
プロセス
- 現在、デザイナーやプロダクトチームへの依頼や協力のために、どのようなプロセスを設けていますか?
- うまくいっていることは何ですか?
- また、どのような点を改善しようと考えていますか?
コラボレーション
- 私たちはどのように協力できるでしょうか?
- あなたの中で、UXライティングが役立つと思う分野があれば教えてください
セッションを進めるために、FigJamファイルを作成しました。私はチームに時間を与えて、さまざまな質問に答えるための付箋を貼らせました。そして、その答えについてグループで話し合いました。すべてのセッションが終了した後、私はアフィニティ・マッピングのエクササイズを行いました。
その結果、3つの大きなテーマが浮かび上がりました。1つは、一貫性を向上させる機会。もうひとつは、UXライティングの方法に関する教育の必要性です。そして最後に、ガイダンスと書面化されたライティングのベストプラクティスが必要であることです。これらのテーマは、私がCodecademyでUXライティングを立ち上げるために行った基礎的な作業を形作ったものです。
あなたも同じようなセッションを行ってみたくありませんか?私のFigJamファイルをテンプレートにしました。Figmaコミュニティのテンプレートを自由に複製してください!
ヒント2:依頼受け付けのプロセスを文書化する
デザイナー、プロダクトマネージャー、エンジニアのいるチームの中での唯一のUXライターなので、物事はすぐに慌ただしくなってしまうものです。早い段階から、依頼受け付けのプロセスを作り、文書化することで、全体を整理整頓できます。
誰もが依頼できる合理的なプロセスは、あなたの時間を節約し、苦悩を和らげます。さらに、UXライティングを社内の正式な新しい分野として確立するのにも役立ちます。
最初に作った依頼のプロセスは、おそらく完璧ではないでしょうし、そうである必要もありません。テストしながら、繰り返し、改善できます(そして、そうすべきです)。私の最初のプロセスは、依頼用のシンプルなGoogleフォームから始まりました。
プロジェクトに関する一般的な内容に加え、私は以下のお願いをしました:
- プロダクトの概要や該当するリサーチなど関連するリンク
- 完了日
- 依頼元のプロダクト部門(追跡のため)
- 関連するビジネスのKPI(優先順位付けのため)
依頼を受けたら、NotionのUXライティングボードに追加しました。私がNotionを気に入っているのは、カンバンボードの表示機能がタスクの進捗の把握に便利だからです。さらに、各タスクには個別のページがあり、リンクやスクリーンショット、その他のドキュメントを保存して、後で参照することができます。その後、GoogleフォームからJIRAにアップグレードしましたが、Notionのボードは、ドキュメント作成用として、引き続き管理しています。
このプロセスはあくまで個人的なものです。ですから、あなたの仕事の進め方(そして情報収集から得たもの)に応じて、私とはまったく異なる方法を思いつくかもしれません。しかし、どのようなプロセスを採用するにしても、それをチームに周知させる必要があります。
その詳細は、アクセスしやすい場所にまとめておくとよいでしょう。そして、依頼のプロセスをチームに思い出させることを恐れてはいけません。私は、新しい JIRA の依頼用リンクを手元に置き、Slack や他のチャンネルでリクエストを受けたときにそれをシェアできるようにしています。
ヒント3:チームにあなたとの仕事の進め方を示す
あなたが一緒に仕事をしているデザイナー、プロダクトマネージャー、エンジニアの少なくとも何人かは、UXライターと仕事をしたことがない可能性があります。ですから、プロセスの一環として、どのようにあなたと仕事ができるかを理解してもらうことも重要です。
私のNotionのまとめには、UXライターとの協働方法に関する文書が含まれています(私の依頼フォームからもリンクされています)。また、私とのコラボレーションの方法についての情報も含まれています(例えば、大規模なライティングを必要としないプロジェクトではコンサルタントとして、新しい言語や情報アーキテクチャを必要とするプロジェクトではパートナーとなるべきでしょう)。
さらに、プロジェクトの種類に応じて、いつ私をプロセスに参加させるべきかのガイドラインも含まれています。
仕事を始めたばかりの頃は、必要以上に会話から外されたり、プロセスに参加させられたりすることがあります。これはイライラすることかもしれませんが、まったく普通のことです。あなたがチームメンバーとの働き方を学んでいるのと同じように、あなたのチームもあなたとの働き方を学んでいることを忘れないでください。そして、複雑な問題を一緒に解決していくうちに、チームはあなたの仕事の価値を理解し、いつ、どこで、あなたに会話に加わってもらうべきかを理解するようになるでしょう。
ヒント4:チームでより良いUIコピーを書けるようにする
依頼が舞い込むと、あなたはチーム唯一のUXライターとして、すべてをこなすことが難しいことに気がつくでしょう。しかし、それでもいいのです。ベストプラクティスを文書化し、共有することで、チームが自力でライティングできるようになる準備を整えることができます。
私は要望に応じて、ベストプラクティスを文書化するようになりました。ツールチップ作成の依頼を受けたら、ツールチップの書き方のベストプラクティスを深く掘り下げ、それを文書化しました。エラーメッセージを更新してほしいという要望があれば、そのベストプラクティスを一緒に文書化しました。確認ダイアログ、アラート、ボタン、リンクなどについても同様です。
当初、ガイドラインはNotionに集め、チームが見つけやすいように、そして私が共有しやすいようにしました。今では、デザインシステムのドキュメントと一緒に置いています。CodecademyのデザインシステムであるGamutのライティングセクションには、私たちのコンポーネント特有のUXライティングのベストプラクティス、アクセシビリティのチェックリストとガイダンス、有用なUIコピーを書くためのヒントが含まれています。
ベストプラクティスを共有するだけでなく、より効果的なコピーを書くためのツールもチーム内で共有できます。私のお気に入りは、コピーの読みやすさをチェックするための定番アプリ「Hemingway」です。
このアプリは、コピーの読みやすさをチェックするための定番ツールです。デザインチェックの過程でガイドラインを共有し、作業を進める。オプションでチームトレーニングセッションを設ける。知識を共有する方法が多ければ多いほど、組織全体に与える影響も大きくなります。
ヒント5:コミュニティから学ぶ
あなたはチーム唯一のUXライターかもしれませんが、あなたは一人ではありません。世の中には、コンテンツデザイナーやUXライターの活発な(そして非常に友好的な)コミュニティがあります。彼らは、書籍でアドバイスを共有し、刺激的なカンファレンスやイベントを開催し、さまざまなSlackコミュニティでつながっています。
私は最近、昨年CodecademyでUXライターに移行するのに役立ったリソースをリストにまとめました。ここでは、あなたがチームで最初のUXライターである場合に特に役立つものをご紹介します。
- UX Content CollectiveのUX Writing Fundamentalsコース:マーケティングからデザインにシフトするまでの数週間、私は深刻なインポスター候群に悩まされていました。このコースの教材は、デザインチームで働くための心構えを教えてくれました。
- トーリー・ポドマジェルスキー著『戦略的UXライティング ―言葉でユーザーと組織をゴールへ導く』:トーリーの本の最後にある30/60/90日プランは、Codecademyを始めるにあたって、私のアプローチに大きく貢献したものです。まだ読んでいないなら、ぜひ読んでみてください。
- マイケル・J・メッツ&アンディ・ウェルフル著『Writing Is Designing』:本書は、デザイン分野としてのUXライティングを概説し、UXライターとプロダクトデザイナーがどのようにコラボレーションすべきかを明らかにする、驚くべき仕事をしています。UXライティングにあまり馴染みのない同僚にUXライティングの役割を説明する際に、非常に役立つ内容となっています。
- SlackのContent + UX community:UXライターとコンテンツデザイナー向けのこのコミュニティは、活気に満ちています。このスペースのメンバーが私に共有してくれたアドバイス、フレームワーク、そして経験は、どれも貴重なものです。
チームで最初のUXライターになることは、チャレンジングなことかもしれません。でも、とても楽しいことでもあります。私は、チームメイトやコンテンツデザインのコミュニティから学ぶことが大好きです。